算数から逃げるようになってしまったら
元中学校教諭で、さまざまな学習法を提案している
「一般社団法人こどものみらい舎」(長野県上伊那郡箕輪町)の代表 小島亜矢子さんが、
小中学生の子どもを持つ親からの質問に答える
次世代学習アドバイザー亜矢子先生に聞いてみよう!
今回の相談は小学1年生 男子のお祖母さんからです。
Q.孫が小学校に入学した頃は、文章が読めるとうれしそうにしていました。ところが先日算数で0点を取ってしまい、親が算数のことを話そうとすると逃げるようになってしまいました
「苦手意識」は今後の学習の敵
子どもの発達は個人差が大きいです。
特に小学1年生では、生まれ月やきょうだいの有無など環境によっても差が目立ちますが、いずれできるようになりますから心配はいりません。ただ大きな問題は、「算数ができないから自分はダメなんだ」と思い込ませてしまうこと。苦手意識は、今後の学習の最大の敵になります。
解決する方法の一つは、適切な伴走者を付けること。信頼できるプロに頼ってもいいです。家族は一緒に買い物に行き現金を使わせたり、料理で重さや時間を計らせたり、おやつを人数分配らせたりなど、生活の中で「身近に使える算数」の体験数を増やしましょう。
本人が楽しんでいる「学び」は?
さてもう一つ。
今は苦手克服にエネルギーを注ぎ過ぎないことです。それよりお孫さんが楽しんでいる「学び」を褒めまくりましょう。
文章を読むのが楽しそうなら、教科書を読み聞かせしてもらう、図書館に行き多様な本に触れる、新聞を親子で読んで社会事象を話題に会話や文章にするなど、今よりもっと文字や言葉、文章に触れる機会を与えるのです。笑顔とともに自信もアップし、いずれ別のことに挑戦する力が生まれることも。読解力や表現力を高めることは、算数と無縁ではないんですよ。
ひとりひとりの子に合った学び方を
余談ですが「文字」「数字」が理解しにくい特性を持つ子がいます。学校や教科の枠にとらわれず、周りの大人たちが協力し、早期にその子に合った学び方を見つけてほしい。すべてが得意な人間などいません。誰しも凸凹があり、支え合って社会が形成されている。「あなたがいて良かった」とお互いにリスペクトしあえる世の中はいいですよね。多様性バンザイです。
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