理科嫌いで困っています
元中学校教諭で、さまざまな学習法を提案している
「一般社団法人こどものみらい舎」(長野県上伊那郡箕輪町)の代表 小島亜矢子さんが、
小中学生の子どもを持つ親からの質問に答える
次世代学習アドバイザー亜矢子先生に聞いてみよう!
今回の相談は中学2年生男子のお母さんからです。
Q.息子が理科嫌いで困っています。
最近は「理科離れ」といわれ、2022年度の県内公立高校入試では理科の平均点が39点だったとか。そこで理科が好きな子に「どこが好きなの?」と尋ねると、「身の回りの不思議なことの理由が分かるから!」。
それで思い出したのは私が小学生だった冬の宿題。「ガラス瓶を満水にしてふたをし、一晩外へ出しましょう」。翌朝割れていて、失敗だと再挑戦するも当然同じ結果に。そして水は固体になる時、膨張することを知りました。恵まれた自然環境にいても、学校の働きかけがなかったら気づかなかったでしょう。
身の回りの不思議を題材にする理科の受験問題
「地域の下水処理場が微生物を利用」
「太陽光パネルの設置角度が日本各地で違う」
「スマートフォン充電を電源に直接つながず電磁誘導を利用」
「電飾が豆電球から最近はLEDに」
「ゼラチンのゼリーに生のパイナップルをのせたらゼリーが液状になってしまった」
「風呂上がりに脱衣所のヒーターを入れたら鏡の曇りが消えた」…。
これらはここ数年の理科の高校受験問題です。身の回りの不思議を解き明かす、ワクワク満載の教科と感じませんか?
自然の中で体感することが激減し、虫嫌いや土に触れない子も増えている今日この頃。教育界は一生懸命、興味を引く努力をしている気がします。家庭では『はたらく細胞』『Dr.Stone』など理系マンガや実験動画なども理科の入り口になるかも。
生活の中の疑問を大人が意識して
でも一番は、日々の生活の中、五感で感じる生の新鮮な感動を大人が意識してほしい。
例えば「リンゴの切り口が茶色くなったよ」「東京から長野にポテチを持ってきたら袋が膨らんでる」など、疑問を誘えばそこから系統立てた学校の授業につながっていきます。
子どもは好奇心の塊です。嫌いなのは「理科」ではなく、用語や記号、公式の記憶や計算などです。テストや成績と「謎が解けてうれしい!」気持ちとは分けて考え、人生を楽しむ学びにつなげたいものです。
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