将来の夢がない!?

将来の夢がない!?

元中学校教諭で、さまざまな学習法を提案している
一般社団法人こどものみらい舎」(長野県上伊那郡箕輪町)の代表 小島亜矢子さんが、
小中学生の子どもを持つ親からの質問に答える

次世代学習アドバイザー亜矢子先生に聞いてみよう!

今回の相談は小学5年生男子のお母さんからです。

Q.学校で「将来の夢」について作文を書くようにいわれたのに、「夢がない」と言って困っています。

夢…私もなかったですね(笑)。ただ教育に携わり、子どもたちの「大人になりたくない」とか「公務員になりたい。理由は安定しているから」という言葉にショックを受け、何かできないかと考えたことを覚えています。

「仕事体験」よりも「リアルな大人の生き方」に焦点

中学生の職場体験学習を実施するにあたり、地域には農業や工業に携わる職業が多くあるのに第3次産業(お店、保育園、病院など)に人気が集中して、子どもの世界は狭いことを実感しました。ユーチューバーになりたい子が激増したのも、SNSで知る世界が広そうで実は狭いことの象徴だと思います。
だから私は、職場体験では「仕事体験」よりも「そこで働くリアルな大人の生き方」に焦点を当てました。人生の多くを占めている仕事において、この人は何を感じ、何を目指し、何を楽しみに生きているのか。リアルな大人との出会いは、自分の未来像につながりやすいと思ったからです。

将来の夢=「就きたい仕事」から「生き方」へ

近い将来、今ある仕事の半分くらいが消えるだろうと言われています。大量生産時代に求められた「指示されたことを確実にミスなく忍耐強くできる能力」は、確かにAIロボットにかないません。その分、人間にしかできない仕事が時代のニーズに合わせて変化し、新しく生まれてきています。「将来の夢=就きたい仕事」ではなく、「自分がやりたいこと」や「こんなふうに生きたい」を考えた方が楽しいし、今の時代には現実的かもしれません。
ですから学校に任せるばかりでなく、家庭で子ども自身が自分を知る機会や、多種多様な大人の生き方に触れる機会をつくりませんか?地域に出ていろんな大人と出会い、いろんな体験をさせてください。新聞などで世の中で起きていることを知ったとき、「どう思う? あなたは何ができる?」と考えさせてあげてください。

どんなふうに生きたいか

将来の夢でお子さんが悩んでいるなら、「憧れの(好きな)大人っている? どんな(生き方をしている)人?」と聞いてみると、子どもの「こんなふうに生きたい」という願いが見えてくるかも。成長するにつれて夢や目標は変わってもいいのです。お子さんが「大人になることが楽しみ!」になってくれたらいいなと思います。

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