動画をみてばかりで勉強しない
元中学校教諭で、さまざまな学習法を提案している
「一般社団法人こどものみらい舎」(長野県上伊那郡箕輪町)の代表 小島亜矢子さんが、
小中学生の子どもを持つ親からの質問に答える
次世代学習アドバイザー亜矢子先生に聞いてみよう!
今回の相談は小学4年生男子のお母さんからです。
Q.わが子は毎日、家で動画を見てばかり。もう少し勉強のために努力してほしいと思うのですが…。
動画をずっと見られる環境を与えたのは親なのに、「勉強に努力」とはなかなかハードル高いですね(笑)。「やればできる!」のお笑いコンビ・ティモンディの高岸さんは大好きですが、よく言われる「努力をすれば何でもできるはずだ」には疑問を感じます。それって本当?無理やり勉強した結果、本当にみんな幸せ?
こんなに多様化している今、個々への適切なアドバイス無しに教科学習をやらせると、学習ではなく作業になり、「努力しなさい」はむしろ勉強嫌いにさせてしまう恐れがあるのです。
嫌いなのに努力し続ける⁇
ここで考えるのはテレビで活躍している東京大生。勉強が嫌いなのに努力したのかな?
イチローも大谷も野球が嫌いなのに練習をしたのかしら?
私は努力には限界があると思っています。
ただ限界がないものがある。
それが「好き!」です。飽きずに花の種を何百と数えたり、紙をひらすら小さく折ったり、小さな虫を見続けたり…。いずれも私の子どもが幼い時のことです(笑)。子どもの没頭力はすごいですね。
「オタク」とか「推し」とか呼ばれる、そのためなら苦労もいとわない彼らがみな幸せそうに見えるのは私だけでしょうか。興味を持って没頭できる「何か」は人それぞれです。そして感じる幸せもそれぞれ。だからこそ世の中面白い。ただ動画は、個人の趣向を推測し、飽きる前に次々と展開して脳を刺激し続け、半強制的に没頭「させる」もの。大人も利用にはご注意を。
『動画鑑賞』を『学び』に発展させる方法
ではもうすでにこの状態にいるお子さんを、自身の学びに発展させる方法を一つ提案しますね。
①見た動画の解説をすることを、見る条件にする
②何が面白いのか、作成者の工夫などを1㌻分、文章や図などで具体的に書かせる
③次回はどんなことを目的に見たいかプレゼンさせる
つまり意識せずただ見ているだけでなく、アウトプットを組み込むのです。はじめは面倒でも「好き」なことへの努力は、努力(苦労)と感じなくなります。そこから教科学習につながることもあるし、親子の交流にもなります。「好き」が「能力」に変わる様子をぜひ楽しんでください。
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